月曜日, 10月 13, 2008

珠玉の音楽(その8)

「シューベルト:弦楽五重奏曲」メロス弦楽四重奏団&ロストロポーヴィッチ

今回のCDは、先日那須に行った時にもよく聴いていた曲です。このハ長調の弦楽五重奏曲、それ以外で記憶に新しいのは、1年前にニューヨークから一時帰国した友人を迎えに成田空港にいって、友人の家まで送っていく車の中でこの曲をかけていた事を良く憶えています。ちょうどその友人も機内の音楽チャンネルでこの曲が演奏されていて聴き入っていたよ、と言っていたのでなんか不思議な偶然だなあと思いました。

既に好きな人はそうでもないかもしれないけど、この曲こそ”隠れた名曲”と呼びたい程、この曲にたどり着くまでは、ピアノソナタを経て、即興曲を経て、未完成交響曲をはじめとした交響曲を経て、歌曲を経て、弦楽四重奏曲を経て、とずいぶん時間がかかりました。シューベルトの曲では最後に、3年程前に出逢った曲です。

この曲は僕が持っているCDでは55分もあります。知る限り最も長い弦楽四(五)重奏曲です。また、モーツァルトなど一般的な、ヴァイオリン2、ヴィオラ2、チェロ1ではなくて、ヴァイオリン2、ヴィオラ1、チェロ2で編成されており、低音部が重厚に歌います。

第1楽章は最も長く20分、3分の1以上の長さがあります。けれども全く飽きのこない美しい楽章です。第2楽章は瞑想的な楽章で、大ピアニストのアルトゥール・ルービンシュタインが生前に自分の葬儀の時にこの曲を流すよう指定した程、悲しく美しい楽章です。また第4楽章はロンド形式ですが、第1主題が止んだ後、ウィーン風の第2主題が遠くから聴こえてきて、まるでシューベルトが遠い昔の想い出を振り返っているような感じがして、好きな楽章です。

彼の晩年の曲はすべてこの世のものとは思えない、なんだか彼岸にある曲ような感じがして時折畏怖さえ感じるのですが、どの曲も誠実さと優しさに満ち溢れています。

ちなみに、さっき良いサイトを見つけましたBBCラジオのアーカイヴでクラシックの名曲をそれぞれ45分間で解説してます。この曲も、その他にも今まで紹介してきたモーツァルトの弦楽五重奏曲、バッハのゴルドベルク変奏曲、シューベルトのピアノソナタD960、シューマンの子供の情景なども取り上げられています。語彙が豊富で丁寧でとってもうまい解説だと思います。英語だけど分かりやすいブリティッシュイングリッシュなので勉強がてら良いかもしれません。



もしシューベルトがこの世に生きていたら結構仲良くなっている気がします。お互いメタボを気にしながら、ヴィーナー・シュニッツェル(トンカツみたいなもの)をたくさん食べて、グリューワイン(赤のホットワイン)を飲みながら、暖炉の前でいろいろ語り合いたいです。

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