Im wunderschönen Monat Mai
Im wunderschönen Monat Mai,
Als alle Knospen sprangen,
da ist in meinem Herzen
die Liebe aufgegangen.
Im wunderschönen Monat Mai,
alle Vögel sangen,
da hab' ich ihr gestanden
mein Sehnen und Verlangen.
習いたてのドイツ語、ということで辞書を片手に訳すと、どうしても最初のwunderschönenでつまずく。この単語がこの詩の一番のポイントのはず。英訳するとwonder beautifulということだけれど、そのwonderをどう訳すか、、、平易にveryのような副詞で訳しては伝わらないし、謎めいたようなニュアンスがほしいところです。すると”うるわしい”と訳しているサイトがありました。謎めきさ加減は分からないけれど、うまく日本語に”超訳”していると思います。以下、こんな感じかなあ。
うるわしくも美しい5月に
すべての蕾がパッと開いたとき
僕のこころのなかで
愛が芽生えた
うるわしくも美しい5月に
すべての鳥たちが歌いしとき
僕は彼女に
憬れと想いをうちあけた
ドイツ語の先生曰く、日本より緯度の高いドイツの5月は、長く厳しい冬が明けて新緑が芽生え始める頃。ドイツ人も5月という月は、他の月に比べなにか特別な思いがあるようです。そんな美しい季節、5月に、ある男性が女性に恋に落ち、、、というストーリーです。
このハイネの素晴らしい詩に、ロマン派の先がけともいえるシューマンが、絶妙な伴奏をつけています。喜びや悲しみ、憧れや不安のどちらともつかないような、冒頭の和音のアルペジオが奏でられると、あっという間に詩の世界に引き込まれます。
また、さらに素晴らしいのは、このCD。
このCDで僕はこの曲を知ったのですが、「うるわしくも美しい5月に」という詩は僅か1分半の曲。けれどもエッシェンバッハの素晴らしい伴奏!まるで青々とした新緑の間から差し込む眩いばかりの光の煌めきと、ヴェールの懸かったようなような瑞々しくも、wunderschönenの意味するあやういようなミステリアスさが入り交じった伴奏が、フィッシャー・ディースカウの高貴な歌声にぴたっと寄り添い、この1分半に起こる奇跡を味わうことができます。
他の歌い手&伴奏者のものもいくつか聴いたけれど、なんでだろう?これは本当に貴重な、唯一無二の演奏に思えます。 早く、伴奏も自分でピアノを弾きながら、この曲を楽しめるようになりたいです。
ところで、2年ほど前に紹介した「珠玉の音楽」シリーズの10枚のCDに続いて、今回から、ひまをみてさらに20枚ほど、「思い出の一枚」ということで、ゆっくり紹介していけたらと思っています。

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