全部で6曲あり、それぞれ第1番(変ロ長調)、第2番(ハ短調)、第3番(ハ長調)、第4番(ト短調)、第5番(ニ長調)、第6番(変ホ長調)です。とりわけハ長調とト短調はその中でもよく聴きます。
特にト短調はヴァイオリンの憂いに満ちた旋律で始まり、それにヴィオラが続いていきます。おおよそアイネ・クライネ・ナハトムジークを作曲した作曲家と同一人物による作曲とは到底思えない程です。(そもそもモーツァルトは短調の曲があまりありません。)
けれども、それともだからなのか、この上なく美しい曲です。
評論家の小林秀雄は名著「モオツァルト」でこの曲を”疾走する悲しみ”と譬えてもいます。
CDでは「モーツァルト:弦楽五重奏曲、クラリネット五重奏曲」 ジュリアード弦楽四重奏団のものを愛聴しています。

残念ながら絶版となっていて、現在はオークションや中古CD屋でしか手に入らないようです。
決して艶やかではありません。どちらかというと地味な演奏だと思います。
けれども想像するに、当時、聴衆のことなど忘れて取り付かれたようにこれらの曲を作曲した(しなければならなかった)モーツァルトの気持ちまたはメッセージを音符から真摯に、そして忠実に拾い上げている感じがします。
アインシュタインが遺い残した、”死とはモーツァルトが聴けなくなることだ”という言葉はこのような曲にこそふさわしいと思う、そんな曲です。
*このCDはもうひとつモーツァルト晩年の傑作であるクラリネット五重奏曲も一緒に入っています。特にクラリネットのまろやかな音色が弦楽器と優しく溶けあった第2楽章はお気に入りです。(この曲は試聴できるみたいです。)
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